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こうま座はなぜこんなに小さいの?全天で2番目に小さい星座の秘密

「こうま座って知ってる?」

もしこう聞かれて、すぐに答えられる人は相当な星座通かもしれません。オリオン座やカシオペヤ座のような有名どころではなく、北斗七星やさそり座のように形も覚えやすくない。それどころか、夜空を見上げてもほとんど目立たない——それが「こうま座」という星座です。

でも、この地味で小さな星座には、意外と面白い秘密が隠されています。

「なぜこんなに小さいのに、星座として認められているの?」「どうやって見つければいいの?」「そもそも、誰がこんな目立たない星を馬だと思ったの?」

今夜は、全天88星座の中で2番目に小さいという、ちょっと不思議な「こうま座」の世界をのぞいてみましょう。この記事を読み終わる頃には、あなたもきっと、秋の夜空でこの小さな馬を探したくなるはずです。

目次

こうま座って、どんな星座?まずは基本から

全天で2番目に小さい星座

こうま座(小馬座、英名:Equuleus エクウレウス)は、全88星座の中で2番目に小さい星座です。1番小さいのは「みなみじゅうじ座」ですが、これは南半球でしか見えません。つまり、日本から見える星座の中では、最も小さい部類に入る星座なんです。

広さで言うと、わずか72平方度。これは満月約140個分の広さしかありません。夜空全体が約4万平方度あることを考えると、本当にちっぽけな存在ですね。

見える時期と位置

こうま座は秋の星座です。見頃は9月から11月にかけて。特に10月の夜8時頃、南の空の高いところに見えます。

場所は、有名な「ペガスス座」の鼻先あたり。ペガススという天馬の近くに、もう一頭の小さな馬がいる——そんなイメージです。

明るさは?目立つの?

正直に言いましょう。こうま座は、とても目立ちません

この星座を構成する星で最も明るいのは「キタルファ」という星ですが、これでも4等星。4等星というのは、都会の明るい空では見えないか、見えてもかろうじて見える程度の明るさです。

星座の形も、馬というより「小さな台形」か「ひし形を潰したような形」。お世辞にも「わかりやすい」とは言えません。

それでも、この小さな星座には、ちゃんと存在する理由があるんです。

なぜこんなに小さい星座が作られたの?

古代ギリシャの天文学者、プトレマイオスの功績

こうま座は、今から約1900年前、古代ギリシャの天文学者プトレマイオスが定めた48星座のうちの1つです。

「えっ、こんなに小さくて目立たないのに、わざわざ星座にしたの?」と思いますよね。でも、当時の人々にとって、夜空を区切って整理することは、とても重要な作業でした。

星座は、いわば「夜空の地図」。航海や季節を知る目印として、また、星の位置を記録するための「住所」として使われていたんです。

プトレマイオスは、ペガスス座という大きな星座の近くに、小さいながらもはっきりとした台形の星の並びを見つけて、「ここも星座として区切っておこう」と考えたのでしょう。

小さいからこそ、完璧に見える

実は、こうま座が小さいのには、もう一つ理由があります。

古代の人々は、星座を「神話の登場人物や動物の姿」として描きました。でも、実際の夜空では、明るい星はまばらにしか見えません。だから、明るい星だけで形を作ろうとすると、自然と小さくなるんです。

こうま座の場合、4つの主要な星で「小さな馬の頭と首」を表現しています。これ以上広げようとすると、暗い星ばかりになって、形が見えなくなってしまいます。

つまり、こうま座は「小さいからダメな星座」ではなく、「小さくまとまっているからこそ、ちゃんと形になっている星座」なんですね。

こうま座の神話——誰の馬だったの?

複数の説がある、謎の小馬

多くの星座には有名な神話がありますが、こうま座の由来にはいくつかの説があって、実ははっきりしていません。

説1:ケレリスの馬 最も有名なのは、ケレリスという神様(または英雄)が乗っていた馬という説。ケレリスは、海神ポセイドンとメドゥーサの子どもとされる、人馬ケンタウロス族の賢者です。このケレリスが、弟のペガススに馬術を教えた——という話があり、その時に使った馬がこうま座だとする説があります。

説2:ペガススの兄弟 ペガスス座のモデルである天馬ペガススには、実は兄弟がいたという神話もあります。ポセイドンとメドゥーサの間に生まれたもう一頭の馬、それがこうま座だという説です。

説3:ヒッパリオンの馬 ヒッパリオンという別の人物(神)の馬だという説もあります。

どの説も決定的な証拠がなく、「おそらくこうだろう」というレベル。でも、それがまた、こうま座の神秘的な魅力でもあります。

なぜ「小馬」なの?

星座名に「小」という字がついているのには、理由があります。

近くにある「ペガスス座」は、天空を駆ける立派な成馬(大人の馬)として描かれています。それに対してこうま座は、まだ若い馬、子馬として描かれているんです。

実際、星座絵を見ると、ペガススは全身が描かれているのに対し、こうま座は「頭と首だけ」しか描かれていません。まるで、大きなペガススの陰から、ひょっこり顔を出している小さな馬のよう。

この対比が、なんとも可愛らしいですよね。

こうま座を実際に見つける方法

ステップ1:まずペガスス座を探そう

こうま座を見つけるには、まず「ペガスス座」を見つけることが絶対条件です。

ペガスス座は、秋の夜空で最も目立つ星座の一つ。4つの明るい星が作る大きな四角形が目印です。この四角形を「秋の大四辺形」と呼びます。

見つけ方のコツ:

  • 時期:9月〜11月の夜8時〜10時頃
  • 方角:南の空、やや高いところ
  • 目印:大きな正方形(一辺が約15度=握りこぶし1.5個分)

都会でも、空が暗ければこの四角形は見つけられます。

ステップ2:四角形の西側を探す

ペガススの大四辺形が見つかったら、その西側(右側)の辺に注目してください。

この辺の北側(上側)の星が「マルカブ」、南側(下側)の星が「アルゲニブ」という名前です。この2つの星の、さらに西側(右側)、マルカブの近くを探します。

ステップ3:小さな台形を見つけよう

マルカブの西側、握りこぶし1個分くらいのところに、小さな台形が見えるはずです。これがこうま座!

台形の大きさは、握りこぶしの半分くらい。4つの星で構成されていて、形は「横長のひし形を少し潰したような台形」です。

注意点:

  • 都会では見えにくい(街灯の少ない場所へ)
  • 目が暗さに慣れるまで10分ほど待つ
  • 双眼鏡があると見つけやすい

正直、初心者がいきなり肉眼で見つけるのは難しいです。でも、ペガスス座の位置関係を覚えておけば、「あのあたりにこうま座がある」とわかるだけでも、星空の楽しみ方が変わりますよ。

小さくても星座は星座——マイナー星座の魅力

星座に大小はあっても、価値は同じ

オリオン座やカシオペヤ座のような有名で大きな星座だけが、素晴らしいわけではありません。こうま座のような小さくて目立たない星座にも、ちゃんと魅力があります。

小さい星座の良いところ:

1. 覚えやすい 星の数が少ないので、一度見つければ形を覚えやすい。こうま座は4つの星だけですから、シンプルです。

2. 見つけたときの達成感 目立たないからこそ、見つけたときの嬉しさは格別。「あった!」という瞬間は、オリオン座を見つけるより感動するかもしれません。

3. 詳しくなった気分 マイナー星座を知っていると、「星座、結構詳しいんだね」と言われます。ちょっと自慢できる知識です。

全天で小さい星座ランキング

せっかくなので、小さい星座のベスト5をご紹介しましょう。

第5位:さいだん座(Ara) 237平方度 南天の星座。日本からはほとんど見えません。

第4位:や座(Sagitta) 80平方度 こちらも小さいですが、夏の天の川の中にあり、意外と見つけやすい星座です。

第3位:こうま座(Equuleus) 72平方度 今回の主役!

第2位:こぎつね座(Vulpecula) 268平方度 ※資料によって順位が変わることがあります

第1位:みなみじゅうじ座(Crux) 68平方度 最も小さい星座。南半球の象徴的な星座で、オーストラリアやニュージーランドの国旗にも描かれています。

こうして見ると、こうま座は堂々の第3位(日本から見える星座では実質1位)。小ささでは一流なんです!

子どもに教えたい!こうま座の面白い話

星座は本当に馬の形をしているの?

お子さんに「どれが馬なの?」と聞かれたら、こう答えてあげてください。

「星座っていうのはね、昔の人が星と星を線で結んで、『これは○○に見えるよ!』って決めたものなんだよ。実際の星は、ものすごく遠くにバラバラに散らばっているから、本当に馬の形をしているわけじゃないんだ」

そして、こう続けましょう。

「でもね、昔の人は夜空を見上げて、小さな4つの星を見て『これは小さな馬の頭に見えるね』って思ったんだよ。そう思って見ると、確かにそう見えてこない? それが星座の面白いところなんだ」

星座は変わらないの?

「星座の形は昔からずっと同じなの?」——これもよくある質問です。

答えは、少しずつ変わっています

星は、実はものすごい速さで宇宙を移動しています。ただ、とんでもなく遠くにあるので、私たちからは動いていないように見えるだけ。何万年、何十万年という長い時間で見れば、星座の形は確実に変わっていきます。

でも、私たちが生きている間、あるいは子どもたちの世代でも、星座の形はほとんど変わりません。だから安心して、「今見ている星座は、おじいちゃんやひいおじいちゃんが見たものと同じ」と言えるんですよ。

こうま座の周りには何がある?秋の星空散歩

こうま座を見つけられたら、周りの星座も見てみましょう。秋の夜空には、素敵な星座がたくさんあります。

ペガスス座(天馬)

こうま座のすぐ隣。大きな四角形が特徴の、秋の星空の主役です。ギリシャ神話の英雄ペルセウスが乗った、翼を持つ天馬です。

アンドロメダ座

ペガススの四角形の北東側に続く星座。エチオピアの王女アンドロメダの姿。この星座の中には、肉眼でも見える「アンドロメダ銀河」という、別の銀河があります。双眼鏡で見ると、ぼんやりとした光の雲のように見えますよ。

みずがめ座

ペガススの南側にある大きな星座。目立つ星はありませんが、黄道十二星座の一つです。

うお座

ペガススの南東側にある星座。2匹の魚がリボンで結ばれている姿。これも黄道十二星座の一つ。

秋の夜空は、夏や冬に比べて明るい星が少なく、全体的に落ち着いた雰囲気です。でもその分、静かで美しい星空が広がっています。こうま座のような小さな星座を探すには、実は秋が一番良い季節かもしれませんね。

初心者向け!こうま座を楽しむためのヒント

道具は必要?

肉眼でOK、でも双眼鏡があるとベター

都会を離れて、街灯の少ない場所に行けば、肉眼でも十分見えます。ただ、双眼鏡(倍率7倍か10倍)があると、星座の形がくっきり見えて、感動が増します。

望遠鏡は必要ありません。むしろ、望遠鏡だと視野が狭くなって、星座全体が見えなくなってしまいます。

いつ見るのがベスト?

10月の夜9時頃が一番見やすい

こうま座が南の空の高いところに来るのは、10月の夜9時前後。この時間帯なら、ペガスス座と一緒に見つけやすいです。

9月だと少し東寄り、11月だと少し西寄りに見えます。

どこで見るのがいい?

できるだけ暗い場所へ

こうま座は暗い星座なので、都会の明るい空では見えません。

理想は、街灯の少ない郊外や、山、海岸など。難しければ、公園や河川敷など、周りに高い建物がない場所を選びましょう。

目を慣らすことが大切

明るい室内から外に出ても、すぐには星は見えません。目が暗さに慣れるまで、最低10分、できれば20分は待ちましょう。

スマホの明るい画面を見ると、また目が慣れなくなってしまうので注意。星座アプリを使う場合は、画面の明るさを最低限に絞ってくださいね。

まとめ——小さくても、そこに確かに輝いている

こうま座は、全天で2番目に小さく、決して目立つ星座ではありません。でも、約1900年前から、人々に愛され、夜空の一角にその名を刻み続けています。

こうま座の魅力、まとめます:

  • 全天88星座中、2番目に小さい(72平方度)
  • 日本から見える星座では最小クラス
  • 秋の星座で、ペガスス座の近くにある
  • 古代ギリシャの天文学者プトレマイオスが定めた48星座の一つ
  • 神話には諸説あり、謎も多い
  • 小さいからこそ、見つけたときの喜びは大きい

夜空を見上げたとき、明るく輝く一等星だけが素晴らしいわけではありません。ひっそりと、でも確かに輝いている小さな星々にも、それぞれの物語があります。

こうま座は、そんな「控えめだけど、ちゃんとそこにいる星座」の代表格。

次に秋の夜空を見上げる機会があったら、ぜひペガススの大四辺形を探して、その近くに隠れている小さな馬を見つけてみてください。

「あった! これがこうま座なんだ!」

その小さな発見が、あなたの星空の楽しみを、ぐっと深いものにしてくれるはずです。

そして、もし誰かに「こうま座って知ってる?」と聞かれたら——もう、あなたは自信を持って答えられますね。

「知ってるよ。全天で2番目に小さい星座で、秋の夜空のペガススの隣にいる、小さくて可愛い馬なんだ」

星空は、知れば知るほど面白い。こうま座は、そのことを教えてくれる、小さな小さな先生なのかもしれません。

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